ON プロジェクト(1998)

* ワークショップについて、あれこれと考えはじめるきっかけになったのが「ON プロジェクト」です。実施からすでに20年が経とうとしていて、当時のデータは散在しているのですが(一部は読み取り不能・行き先不明)、ウェブのデータは断片的に発掘しました。下記の情報は、当時のものです。書式は多少修正しましたが、原文のままです。

マニフェスト(ON宣言)

ぼくたちは、「もの・こと」をつくりあげるプロセスに興味をもっています。

とくに、みんなで集まってつくる「もの・こと」です。

流行りのことばでいえば、コラボレーションということになるでしょう。

ただし、「もの・こと」をつくりあげるには、“それなりの”ワザが必要です。とくに、会ったことのないひとと一緒に作業をすることになると、いろいろと大変です。でも、短期間で知らないひとと一緒になって「もの・こと」について語り、デザインし、作品として仕上げるという体験は、とてもよい「学び」の機会になります。そして、集中し無心になって取り組んだ分だけ達成感があります。イイ気分になります。どのような「もの・こと」をつくる場合でも、なにか共通する「感じ」があるのではないかとぼくたちは考えています。

それを「感じる」ためには、「もの・こと」をつくってみるしかありません。


今年は、みんなで「音」をつくります。もっと具体的にいうと、CDをつくります。「音楽」とはよべないかもしれません。でも、そもそも「音楽」とは何か…。それをマジメに考えることも大事です。みんなで「音」を出す(さがす)ところからはじめて、コンピューターで編集し、CDを焼きます。綺麗なジャケットもマックでつくります。みんなで「音」をつくりあげるまでの過程を記録して、冊子もつくります。リアルタイムで進行状況をホームページ上で公開して、ひとから意見を聞きながら「音」づくりをすすめます。これを2泊3日でやります。

知らないひとに会うことになります。はじめて会ったひとと作業をすることになります。きちんと分業することを考えないと作品は完成しないでしょう。自己主張も協調性も必要です。かぎられた時間で、ひとつの作品をつくりあげる…このことについて体験しながら考えてみたいと思います。

プロ(エキスパート)をよぶことになっています。目の前でワザを見せてもらいましょう。プロのミュージシャンである宇治野さんがプロデューサーとして参加します。明和電機などで活動しているヲノさんが「音」のサンプリングや編集について力をかしてくれます。ぼくたちのいだいている「音楽」や「音」という概念をぶち壊しに行く…と言っているので、きっとおどろくことが起きるでしょう。

来年は、「あじ」とか「器」とか「家具」とか、何にするかは決めていませんが、「もの・こと」をつくり続けます。ONは、もちろん「音(おん)」ですが、ぼくたちのスイッチをONにする、ということなのです。

 
スケジュール

期間

1998年9月16日(水)~9月18日(金)

  • 集合時間:9月16日(水) 午前9時
  • 解散時間:9月18日(金) 正午

場所

NEC高井戸ハウス
 住所:東京都杉並区高井戸西 2-18-1(京王井の頭線高井戸駅下車、徒歩3分)
 TEL:03-3332-1711

9月16日(水)

  • 9:00~ NEC高井戸ハウス内ロビーに集合:ガイダンス等
  • 10:00~ 研修室でヲノ氏より「音」のディスカッション
  • 12:30~ ランチタイム
  • 14:00~ 収集する「音」のコンセプト構築
  • 18:30~ 個人単位で「音」の収集

* 夕食は各自で済ませて下さい
* 収集が完了した人から作業終了

9月17日(木)

  • 9:00~ 研修室で音楽CDの作成(各班ごと)

* 昼食・夕食は各自で済ませて下さい(近くにコンビニ有り)
* 作成完了次第終了

9月18日(金)

  • 9:00~ 研修室でプロジェクトの振り返り
  • 12:00 プロジェクト「ON」終了、解散